レインメーカー

深夜に放送していたので。
1997年アメリカ、監督はフランシス・フォード・コッポラ、主演はマット・デイモンクレア・デインズ等。
レインメーカーとは雨のごとく金を降らせて成功を収める弁護士、要は金儲けのうまい弁護士を指しているそうだ。
余談だが、マット・デイモンは青臭くて作品にあってて良かった。
ムキムキじゃ格好つかないし。


この作品は社会の不正を暴く、というほど別段目新しい事柄を扱っているわけでもなく(保険制度や家庭内暴力)、かといって弁護士としてのサクセスストーリーでもない(最後は保険金が貰えず)。
おそらく、主人公の成長物語と言うべきか、理想と現実ギャップで苦しむさまが青臭くなるところを少しスマートに描いているものではないかと思う。


この作品は主人公が憎む、もしくは嫌う存在が何点か描かれている。
妻に暴力をふるう男、保険金を一切払わない悪徳企業、そしてその悪徳企業に雇われている弁護士を筆頭とした悪徳弁護士。
しかし、物語の佳境を迎えると少し心境が変わったようだ。
悪徳弁護士は憎むべき存在だが、自分と何が違うのか、ということだ。
物語では明らかに違うものとして描かれているが、彼はある一線を超えたようにも見える。
それは勝ちに対して貪欲になること、それが始まりではないだろうか。


最後のセリフは少し考えさせる。
評価B